秘密の稽古スペース
私は今週土曜日開催の五雲会にて能「鵜飼」のシテを勤めますが、その申合がいよいよ明日に迫りました。
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一方今日は夕方に京都駅前の「メルパルク京都」に学生と一緒に行って、全宝連レセプションの打ち合わせをするという用事がありました。
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京都駅に到着すると、学生が来るまでまだ少し時間があります。
普段ならコーヒーでも飲んで待っているところですが、今日は…
「鵜飼」の稽古をしたい!
と無性に思いました。
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京都駅構内には、実は広くて人気が殆ど無いスペースが何箇所かあるのです。
私は烏丸中央口から東側に上がっていくエスカレーターに乗りました。
そしてエスカレーターを4本乗り継ぎます。
改札前は観光客や修学旅行生でごった返しているのですが、上に昇っていく程にその喧騒が嘘のように静かになっていきます。
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4本目のエスカレーターを降りると、結婚式に使うと思われる西洋風の鐘が下がっています。
その鐘の横手のスペースが、能の稽古にちょうど良い感じなのです。
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もちろん結婚式があると人が大勢集まるのでしょうが、平日午後には人は滅多にここまで上がって来ません。
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駅構内のスペースでは、色々と禁止されている行為があると思われます。
しかし控え目の声量で、5m四方を摺り足で動くだけならば、まず迷惑行為にはならないと判断して、稽古を始めました。
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思えば「国栖」、「舎利」、「夜討曽我」、「雲林院」など最近舞った能は全て、一度はこのスペースで稽古した覚えがあります。
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今日もやはり人は殆ど通りかからず、じっくりと「鵜飼」の稽古をすることが出来ました。
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このブログを読んだ方が稽古に殺到するとちょっと困りますが、今後もこの秘密の稽古スペースを年に数回、大事に使わせてもらいたいと思います。