“若武者”を目指して

今日は水道橋宝生能楽堂にて、明後日開催の「五雲会」の申合がありました。

私は能「箙」の地謡を勤めました。

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能「箙」のシテは梶原源太景季という源氏方の若武者です。

一ノ谷の合戦で背中の”箙”に梅のひと枝を挿して奮戦し、その名を上げたのです。

今回シテを勤める川瀬隆士君は30代前半の若手能楽師。若々しく張りのある謡と型は、この曲にぴったりだと思いました。

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そして今日の申合の楽屋には、彼よりも更に若々しい詰襟制服の男子2人の姿がありました。

2人はこの度、東京芸術大学邦楽科能楽専攻に合格が決まって、挨拶のために宝生能楽堂にやって来たのです。

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明後日の「箙」で凛々しい若武者姿を披露する川瀬君も、やはり10数年前に東京芸大に入学して、それから厳しい修行を経て五雲会のシテを勤めるまでになったのです。

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詰襟の2人が今日の川瀬君のような一人前の”若武者”になるまでには、長く厳しく、しかし充実した修行の日々が待っていることでしょう。

未来の若武者2人に心からエールを送りたいと思います。

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