謡が難しい能「国栖」

最近は毎日、能「国栖」の稽古をしております。

来たる2月24日に大阪香里能楽堂にて開催の「七宝会」でシテを勤めさせていただくのです。

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「国栖」は、仕舞では割に最初の方に稽古する曲です。

京大宝生会では大抵、1回生の終わり頃には稽古する感じです。

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しかし、仕舞の部分は能「国栖」においては最後の3分ほどに過ぎず、実は前半にも見せ場が沢山あるのです。

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特に川船の作り物の陰に子方清見原天皇を隠して、シテとツレがその前に座って間狂言追手の武士から天皇を守るシーンが私は好きです。

前シテ老人は全く戦わずに、言葉の力だけで武士達を追い返してしまうのです。

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このシーンは、老人を演ずるシテの言葉に非常な力が込もっている事で初めて成り立つのだと思います。

“力を込める”とは決して大きな声を出す訳ではありません。

抑制された静かな声の中に”凄味”を含めないといけないのです。

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他のシーンでも謡の細かな抑揚が求められることが多く、これまで経験した曲の中でも謡の難しい曲だと、稽古をする中で実感しております。

これから本番までに謡をどう仕上げていくか、今少し試行錯誤して参りたいと思います。

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