月並能の「乱 和合」
今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」が開催されました。
年内最後の月並能では、ここ数年では最後に能「乱」が演じられる慣わしです。
そして今日はその能「乱」が「和合」という特殊演出で演じられました。
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そもそも「乱」とは能「猩々」の特殊演出なのですが、今日はそのシテ猩々が2人登場して、”相舞”を舞ってくれました。
1人でも目出度い猩々が、2人になるとさらに目出度さが増すように見えました。
相舞もとても良く呼吸が合っていましたが、それもそのはず。
2人の猩々の演者は実の兄弟なのです。
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「乱 和合」が最後の留拍子まで無事に終わって、猩々達が橋掛りに差し掛かった時。
楽屋でモニターを見ていた私はふと横にいた楽師に「あれ、どっちがシテでどっちがツレなのかね…?」と聞いてみました。
すると…「え〜…わかりません。。」
との答えが。
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そこに偶々、数年前に能「乱 和合」を舞った先輩がいたので、同じ質問をしてみました。
ところがモニターを見ながら「え〜…どっちやったかな。。」との答えが…。
私は、「なんとなく先頭が兄で、後ろが弟だと思います!」
と断言して、2人の帰りを待ちました。
すると…
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何と先に楽屋に帰って来たのは弟の方でした。。
私から見ると、それだけ2人の猩々は全く同じ雰囲気を漂わせていたのです。
勿論”兄弟”というのが大きいとは思いますが、それ以上にやはり稽古を通して「乱 和合」という曲の全てを、お互いに共有出来た結果なのだと思います。
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なかなか出ない「乱 和合」ではありますが、いつか自分も誰かと舞ってみたいと思ったのでした。