大人の能楽師を目指して
今日は夜に大阪の大槻能楽堂にて、「大阪養成会」の舞台に出演して参りました。
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宝生流の演目は能「経政」で、シテは石黒空君でした。
空君は、数年前に私が大阪若手能にて能「百万」を勤めた時には子方をしてくれました。
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それがもう高校3年生になって、初めて面を掛けてシテとして舞台に立ったのです。
時の流れの早さを感じてしまいます。。
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現代の高校生というのは、学校だけでも相当に忙しいはずです。
彼はその学校と平行して、”大人の能楽師”を目指す為の修行をしている訳です。
それは子方時代の稽古とは比較にならない程の非常に厳しい修行であり、生半可な覚悟では出来ないことだと思います。
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しかし、満次郎師から指導を受ける空君を見ていると、何かご注意をいただく度に「ハイッ!」と何とも力強くきっぱりとした返事をしていて、直向きな姿勢を好もしく感じました。
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これからしばらくの間は、今よりも更に厳しい修行期間が続くと思います。
その修行を経て彼が”大人の能楽師”になる時を、期待して待ちたいと思います。