松本城薪能〜その1〜
昨日の松本城薪能と、その前座の松本澤風会発表会は、おかげさまで何とか無事に終了いたしました。
いらしていただいた沢山の方々、また暑い中を稽古に励んで発表会に臨まれた会員の皆様、そして松本城管理事務所の加藤様始め薪能の開催にご尽力いただいた全ての方に心より御礼を申し上げます。
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昨日の松本の天気予報は、正午頃に雨が降り出して夜までずっと降水確率60%、という絶望的なものでした。
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しかし朝起きてカーテンを開けると、外は快晴です。
「これから急に荒天になるのだろうか…」
と思いながら松本城天守閣横の薪能会場を下見に行きました。
11時過ぎの段階では上のように綺麗な夏空で日差しも強く、舞台の上に数分立っただけで汗が吹き出して来ました。
それでも天気予報によれば、あと1時間後には雨が降り出すはずなのです。
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次に私はお城近くの大手公民館に向かいました。
松本澤風会発表会のリハーサルと、雨天の場合に大会議室をどのように使って発表会をするかを考える必要があったのです。
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リハーサルは順調に終わり、大会議室でも60人ほどの客席は確保出来る目処が立ちました。
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刻々と発表会の開始時間15時半が近づいて来ます。
今にも雨が降って来るか、と内心ドキドキしながら過ごしていたのですが、15時前になっても外はまだ青空が見えています。
しかし携帯電話で天気予報をチェックすると、予報は変わっておらず既に松本には雨雲がかかっているという内容です。
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携帯の画面と、窓の外の青空を見比べて首を傾げながら、我々松本澤風会はいよいよ松本城薪能の会場に向かいました。
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「ここまで来たら、少なくとも発表会は外で開催出来そうだ。」と少し安堵していると、15時半ギリギリのタイミングで空が雲に覆われて、怪しい空模様になって来ました。
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観客席には、それでも100人ほどもお客様がいらしてくださっています。
「頼むから、発表会が終わるまでは降り出さないでくれ!」と強く祈りながら私は東川尚史君と2人でいよいよ発表会の地謡座に座りました。
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初舞台の鰻屋さん、小中学生の子供達、そして松本に家や仕事場を持ちながら松本澤風会で稽古してくださっている10数人の皆さんが、1人ずつ交代で舞台に上がって仕舞や独調を発表していきます。
緊張しているのがありありとわかる人、落ち着いている男の子、集中力が増して普段より切れのある仕舞を舞っている人…
皆さんそれぞれ、精一杯に稽古の成果を発表してくださいました。
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40分ほどの発表会の間、幸いなことに雨は降りませんでした。
「今回の発表会に出演されたのは、地元の小中学生とそのご家族、松本にお店を持つ人、松本の伝統工芸の職人さんなど、この松本に根を下ろして暮らしている方々です。
そのような人たちに能楽が根付いていくことが、つまり松本に能楽が根付いていくということだと考えております。
これからも頑張って稽古して参ります。」
と挨拶をさせていただき、先ずは松本澤風会発表会が無事に終わったのでした。
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その後の松本城薪能の模様は、また次のブログで書かせていただきます。
澤田先生、念願の松本城薪能と澤風会の発表会が野外で出来てよかったですね。
ブログを通して私もどきどきハラハラしてご報告を待ちました。続きを楽しみにいたします。