国立能楽堂の稽古会

昨日は国立能楽堂主催の稽古会に参加して参りました。

国立能楽堂で三役(囃子方、ワキ方、狂言方)の研修生として修行している若手のための稽古会で、私は能「小鍛冶」の地謡としての助演で舞台に出たのです。

.

稽古会なので非公開なのですが、見所にはちゃんと人がいます。

.

研修生はもちろんですが、それ以外に昨日の稽古会の出演者である観世流や金春流の能楽師、また三役それぞれの講師の先生方、さらには家元クラスの偉い先生も何人も見ておられるのです。

.

.

このような舞台には独特の緊迫感があります。

若手研修生に宝生流を正しく知ってもらう、という目的以外に、他の流儀との「立ち会い」、つまり芸の競い合いという要素も確かにある気がするのです。

.

能「小鍛冶」が始まって舞台に出ると、直前の舞囃子「桜川」を終えた観世流の面々が見所に見えます。

また私も先程までその「桜川」の謡をじっくりと聞いておりました。

.

見所で見ている研修生の皆さんや先生方に、宝生流として恥ずかしくない謡をしっかり聞いていただけるように、普段同様に、またそれ以上に気合いを入れて「小鍛冶」を謡わせていただきました。

.

日曜日までの舞台の鈍い疲れは、むしろ思い切り謡うことで吹き飛んだ気がして、「稲荷の峯にぞ 帰りける」と謡い終えたときには不思議にすっきりした心地になりました。

.

.

このように独特な緊張感のある舞台はまた、私自身大変勉強になりました。

昨日舞台を共にした研修生の皆さんと、いつか五雲会などの舞台で共演出来るのを楽しみにしております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です