隙間花壇〜春から初夏へ〜
東京の桜は早くも散りかけになりました。
気温も一気に上昇して、まるで初夏の陽気です。
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隙間花壇の紫陽花の葉も、だいぶ大きくなりました。
そして、地面近くに咲く白い花を見つけました。
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「シャガ」の花です。
シャガも「ヒガンバナ」と同様に、大陸から伝来した植物であり、遺伝的に全国すべて同じものだそうです。
京都の山中でもよくこの花を見かけましたが、シャガは人間によって植えられたもので、以前に集落があった場所の目印になるということです。
まだ蕾がたくさんあり、これから次々と咲くのでしょう。
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ちなみにこのシャガの葉っぱを、能では小道具としてよく使用します。
能「敦盛」、能「項羽」では、草刈男が肩に担いでいる草が「シャガの葉」を束ねて竹に挟んだものです。
また能「芦刈」では、やはりシャガの葉を竹に挟んだものが「葦の葉」を表すのです。
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さらに隙間花壇に何か咲いていないか見回してみると…
紫陽花の奥の方に、低木に咲く白い花を見つけました。
しかし道路からではちょっと遠くて写真に撮りにくいです。
ここはひとつ、裏から回って隙間花壇の「隙間」に入ってみようと思い立ちました。
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自宅マンションの裏手の自転車置き場から、隙間に入ることが出来ます。
初めて入る「隙間花壇」。ちょっとドキドキします。
これが「隙間花壇」の内側です。
ほとんど日が差さず、ひんやりした空間です。
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例の低木には、薄い花びらの白い花が控え目に咲いている印象でした。
またよく見ると、黒い実がいくつか付いています。
調べたところ、これは「シロヤマブキ」という植物でした。
花や実のついた枝は、茶花にも用いられるそうです。
「山吹」と姿が似ているところから名付けられましたが、全くの別種だとのこと。
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シロヤマブキの下には、シャガがたくさん咲いていました。
シャガもシロヤマブキも、半分日陰のような場所を好む植物だそうで、やはり「隙間花壇」の主は、様々な植物の特性を考えて植えておられるのだなあと感心いたしました。