山の本

今日はぽっかりと空いた休日でした。

郁雲会澤風会の準備作業が沢山あるのですが、合間に本を読む時間もありました。

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最近読んでいるのが時代小説家の長谷川卓著「嶽神」シリーズ(講談社文庫)です。

大まかなストーリーは、戦国時代の甲信越を舞台に、深山に棲む「山の者」と呼ばれる人々が乱世に巻き込まれながらも懸命に生きていく、というものです。

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私は京大時代に「木地師」というやはり深山を渡り歩いて暮らしていた山の民を調べたことがありました。

また柳田國男や椋鳩十の本などでも、日本の山々には平地とは全く異なる生活があったと知り、大変興味深く思っておりました。

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この「嶽神」シリーズは、まさにその山の民が主人公であること、また山田風太郎ばりの荒唐無稽なアクションシーンがふんだんにあること、そして舞台が甲信越地方で、見知った場所が多く出てくることなど、私の好みのツボを巧みに押さえた本なのです。

更に、私は好きな本を読み終わるととても寂しい気分になってしまうのですが、「嶽神」は既に10冊程出版されており、まだまだ続きそうなのでその点でも安心なのです。

ちなみに「能役者の家系」であるという意外な人物も登場します。

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「嶽神」は文庫本で、主に電車で読むのですが、最近家で寝る前に読んでいるのがやはり山の本です。

これはあまり売っていない本なのですが、加藤博二という人が今から60年程前に書いた本の復刻版「森林官が語る山の不思議〜飛騨の山小屋から〜」(河出書房)という本です。

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第二次大戦前頃に飛騨の深い山奥に暮らした著者が体験した、山の民や動物や、謎の生き物達も出てくる不思議な話です。

能「山姥」の現代版のような話もあり、日本にはつい戦前までは、平安時代から続く深山の暮らしがあったようです。

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そんな話を少しずつ読んで、想像力を膨らませながら満足して眠るのが、最近の密かな幸せなのです。

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