ゆっくり喋りたい!
今日はちょっとユルいお話です。
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ごく偶に、舞台の合間に「アナウンス」をしないといけない時があります。
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「ただ今より15分間の休憩をいただきます」
と言った簡単なアナウンスなのですが、私はこれがとても苦手なのです。
というよりも、ゆっくり丁寧に喋るのが不得手で、つい口調が早くなって結果噛んでしまったりするのです。
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これには実は思い当たる原因があります。
私は普段の稽古の時に、かなり早口で喋っているのです。
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舞の稽古の時には、地謡や唱歌を謡いながら、合間に型の説明を入れつつ稽古していきます。
そうすると謡の切れる一瞬の間に沢山の情報を喋らなくてはならず、自然早口になっていくのです。
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例えば、「中之舞」のメロディを文字に直したいわゆる「唱歌(しょうが)」は、
「オヒャ〜〜ア〜〜ラア〜〜、オヒャイヒョ〜イ、ヒャ〜リウヒ〜、オヒャ〜ラ〜イ、ホ〜ウホウヒ〜」
という風に謡います。
しかしこれを型の説明付きの「稽古バージョン」にすると、
「オヒャ〜〜、っと笛が鳴りだしたらサシて!
ア〜〜、っと左ヒネって。
ラア〜〜、で右から三足出て!
オヒャイヒョ、で左引いて、ォ〜イ。
ヒャ〜リウヒ〜、でヒラキ終わって。
オヒャ〜ラ〜イ、いっぱいで手を張りながら正へ向いて引き揃えて。
ホ〜ウホウヒ〜、で改めて左ヒネって角柱に向けてスタート!」
…というようになってしまい、この「稽古バージョン」を、「唱歌」だけの場合と大体同じ速さになるようにする為には、文字の部分が猛烈な速さになってしまう訳です。
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なので、こうありたい自分の理想像は、「口数は決して多くないが、じっくり考えてから言葉を選んで、ゆっくり丁寧に話す人」
であるにもかかわらず、現実は「早口で沢山の事をペラペラ喋って、偶に早すぎて内容が聞き取れないと言われる人」になってしまっているのです。。
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せめてスイッチを切り替えて、「稽古の時は早口で、普段はゆっくり丁寧に」と喋る速さを変えられるようになりたいものです。
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そして、偶に私のアナウンスをお聞きになるかと思いますが、早口で噛んでしまってもどうか御容赦くださいませ。。