「緊張感」と「不安感」

今日の仙台稽古にて、お弟子さん達から色々なお話を聞きました。

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①舞台に出た時に頭が真っ白になる事がある。それは稽古の途中段階で舞台に出てしまった時で、それを超えてしっかり稽古した時の舞台では真っ白にならず冷静でいられる。

②能のシテで幕が上がった時に、地謡の先生方と視線が合った気がしてとても怖かった。

③同じく能のシテの時に、幕が上がって歩み始めようとしたら、金縛りみたいになって前になかなか進まなかった。

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まだまだ色々聞いたのですが、いずれも興味深い内容でした。

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例えば①に関しては、「緊張」と「不安」という異なる二つの要素の絡みだと思うのです。

稽古が足りないと思っている時には、当然「不安感」が大きく、それが「緊張感」と重なった時に頭が真っ白になって何もわからなくなるのだと思います。

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しかし充分な稽古をして舞台に臨めば不安感は少なく、そのような場合の「緊張感」は逆に舞台に集中させてくれる気がします。

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②は実は私も感じることで、視線を感じると無用な不安感を抱いてしまうので、私は地謡や後見とあまり目線が合わないように面の位置を調整したりいたします。

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③は、橋掛りには傾斜があって、舞台に向かって僅かに登り坂になっています。

あくまで推測なのですが、それが緊張感と相まって、金縛りのようになかなか前に進めないように感じてしまったのではと思います。

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私が普段感じていても、なかなか具体的に認識していなかった事を、お弟子さんに聞いて改めて考えてみて、「成る程そういう事だったのか」とわかる事があります。

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今日はたまたま「緊張感」と「不安感」に関して、仙台の皆さんに非常に有意義なお話を伺うことが出来ました。

とても有り難い時間でした。

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