張り扇の修理
我々は稽古の時に、普通の扇の他に「張り扇」というものを使います。
このような物です。
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張り扇は、扇の骨に和紙を重ねて貼り付け、更に上から牛や鹿の皮で包んで作ります。
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私も以前は自分で作ったものを使っておりましたが、今使っている写真の張り扇は私の自家製とは全く違う上等なものです。
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7年程前に、大皷方の佃良太郎さんの結婚式で、引き出物として頂戴したのです。
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出席した能楽師200人分の張り扇を、なんと良太郎さんのお父様の佃良勝先生が自ら一本一本作って下さったものなのです。
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以来7年、全国どこへ行くにもこの張り扇と一緒でした。
海外にも何度か一緒に行きました。
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何万回と叩いても頑丈に耐えてくれていたこの張り扇なのですが、実はついに少し痛んでしまいました。
一本の白い部分と茶色の持ち手部分の縫い目が解けて、スポッと抜けてしまったのです。
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扇の骨が芯になっている構造がよくわかりました。
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…しかしこのままでは明日以降の稽古に支障をきたすので、自分で修理することにしました。
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ごく普通の黒い糸と針で、白い部分と茶色の部分をジグザグに縫い、更に上からぐるぐる巻きにして完成です。
また明日からバシバシ叩いていかせてもらいます。
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張り扇さん、これからもどうぞよろしくお願いします。