卒業素謡
今日は先月の「能と狂言の会」以来の京大宝生会稽古でした。
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BOXに行くと、みんな次の「関西宝連」の舞台に向けてそれぞれ始動していました。
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春の関西宝連は「新入生のお披露目」という舞台で、初々しい仕舞や素謡鶴亀がたくさん出るのですが、冬の関西宝連は「卒業生の最後の舞台」という意味合いがあります。
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最上回生はいわゆる「卒業仕舞」や「卒業素謡」を、これまでの稽古の集大成として舞台に出すのです。
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私が現役の頃は、この舞台は12月なのに何故か「秋の京宝連」と呼ばれていたのですが、やはり卒業仕舞と卒業素謡が毎年出ておりました。
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最上回生の最後の仕舞は、各々の思い入れが深く込められていて非常に見応えがあるのですが、「素謡」にもまた思い出深い舞台がありました。
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私の二つ上の学年は、男子が3人でした。
この3人の先輩達が、秋の京宝連で卒業素謡「高砂」を、3人だけで謡われたのです。
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前半のシテ、ツレ、ワキの掛け合いの途中から始まり、位のあるシテ、その奥さんのツレ、颯爽と謡う神主のワキと、3人のキャラクターにぴったり合った配役でした。
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そして掛け合いが終わって所謂「四海波」の地謡だけを3人揃って気迫十分に謡い切り、さっと切戸に引いていかれたのです。
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全体でも5〜6分程度の短い素謡でしたが、その潔い雰囲気がなんとも格好良く、今でも強く印象に残っております。
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「卒業仕舞」に関しては、また色々思い出があるので改めて書きたいと思いますが、毎年この時期になると、「みんなもう卒業か、早いなあ」と、一足早く卒業の感慨にふけってしまうのです。
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今年はどんな舞台になるのか、また関西宝連がとても楽しみです。