能「安宅 延年之舞」申合
今日は水道橋宝生能楽堂にて、明後日開催の宝生会別会の申合がありました。
かねてから書いておりますが私は宝生和英家元のシテによる能「安宅 延年之舞」の、ツレ同行山伏を勤めます。
能「安宅」は見処満載の曲ですが、私が個人的に好きなところは、
①シテツレ合わせて9人同吟による、都〜安宅の関までの道行。
②全員素早く二列縦隊になっての最後の勤行。
③全員素早くV字型に座っての勧進帳読み上げ。
④橋掛を端から端まで走りながらのシテ謡「あ〜〜〜〜〜〜暫く‼️」。
⑤全員でスクラムを組んでのおしくらまんじゅう。
⑥弁慶の舞。
⑦同行山伏達の一斉退場。
と言ったところです。
このうち特にツレ同行山伏達の息の合った動きが重要なのが②③⑤⑦のシーンなのですが、実は最後の⑦が私にとっては意外とネックなのです。
…と言いますのは、⑤まで終わるとツレ同行山伏達は舞台を取り囲むようにL字型に座って、そのまま最後まで殆ど動けないのです。
今日の申合でも、途中段々と足が痺れてくるのがわかり、⑦のシテ謡「疾く疾く発てや」で正に早く立たないといけないのに、私だけ立てずに置いてけぼりになったらどうしよう…と不安になってしまいました。
しかしその時、視界の端に見えたのが他のツレ達の様子です。何となくみんな足が辛そうな雰囲気なのです。
「自分だけしんどいのではないらしい」と思えると人間なぜか変に安心するもので、⑦のシーンでも無事に立って速やかに退場できました。
とは言え今日は着物に袴姿、明後日の本番は重い装束を着けての舞台です。
今日明日はちょっとだけ控え目な食事にして、本番で「疾く疾く」立てるようにしたいと思います。