夏の成果は秋に出る
今日も京大合宿のお話です。
合宿中に5曲の鸚鵡返しをすると、先輩も後輩も声がガラガラに枯れてしまいます。
その鸚鵡返しの合間に私の仕舞稽古に来るので、仕舞のシテ謡も半ばかすれた声で謡うことになります。
しかし昨日今日の仕舞稽古でそのかすれ声を聞いていて、気付いたことがあります。
「一回生の声が格段に良くなった」ということです。
ついこの間の全宝連までは、大きな声ではあってもまだ謡の声にはなっていなかったのが、3人それぞれ立派な謡の声になっているように聞こえました。
ただし、枯れた声なのでまだ本来の姿ではないと思われます。
合宿から帰って、少し喉を休めてから謡うと、驚くほど良い声が出るはずです。
これは勿論先輩達も同様で、合宿で究極まで謡い込んで枯れてしまった声が、下界に帰って暫くして元に戻った時、合宿前よりも何段階も上の謡になっているのです。
昔まだ私が中高生だった頃、「夏に勉強を頑張った人は、秋に成果が出てくる」とよく言われました。
京大宝生会の謡もまさに同様だと思うので、秋以降の彼らの舞台がまた非常に楽しみになって来ました。