舞台に出たら

今日は水道橋宝生能楽堂にて、明日から始まる七葉会の舞囃子の申合がありました。

澤風会代表の江古田稽古場のMさんも、船弁慶の長刀の舞囃子をされました。

申合とは言え、宝生能楽堂で舞うのはやはり緊張感があります。

過去の澤風会の舞台にほぼ皆勤のMさんですら、朝お会いした時は普段よりもかなり固くなっておられました。

しかし舞台に出るとむしろ固さがとれて、普段通りのMさんに戻って伸び伸びと舞われて安心いたしました。

ちょっと心持ちは違いますが、私も舞台の上に出ると「ああ、やっと舞台の上に来られた」と安心する時があります。

というか自己暗示に近いのですが、「自分は能楽師であり、舞台上では能をすれば良いのだから、地上の何処よりも舞台上が一番安心出来る場所の筈だ」と繰り返し思っていると、やがて本当に舞台上が安心出来る場所になっていったのです。

昔内弟子だった頃にはまた、楽屋の仕事が特に多かったので、その意味でも舞台に出ている時が一番嬉しかった記憶があります。

お弟子さんはまた全然違う心持ちだとは思いますが、どうか明日明後日の七葉会では舞台に出たら、「漸く稽古の成果を出せる!嬉しい!」という気持になって、舞台上の諸々を出来るだけ楽しんでいただければと思います。

また七葉会の会員でない方も、どうか明日明後日は宝生能楽堂に応援にいらしていただければと存じます。

どうかよろしくお願いいたします。

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