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はさみの日

今日8月3日は語呂合わせで「はさみの日」だそうです。

増上寺では、2月の浅草寺針供養のように「鋏供養」が行われるとか。

鋏は実は能楽師にとって重要なアイテムです。

装束の着付けに不可欠で、取り分け「中入」で装束を素早く取り換える時には、糸を縒って作ったいわゆる「糸針」と「鋏」を如何に素早く使えるかで運命が分かれる事があります。

しかし私の場合、鋏に関しては少々問題がありました。

私は元々左利きなのですが、鋏は右手で使うための構造になっているのです。

右利きの方にはピンと来ないかもしれませんが、左手で普通に鋏を使うと、刃に隙間が出来てうまく切れません。刃が合わさる方向に無理に力を込めることでようやく切れるのです。

では右手で切れば良いと思うのですが、私の場合「箸」と「鋏」は不思議に左手でないと扱えないのです。

とは言え鋏は子供の頃から使って来た身近な道具です。私も小学生の内には左手で自在に使えるようになっていました。

しかしそれは「洋ばさみ」の話です。能の楽屋で使う「和ばさみ」は、更に左利きには使い辛い構造でした。

X型構造で梃子の原理が使える洋ばさみに対して、和ばさみは刃同士を合わせる力をダイレクトに刃に伝えないと切れてくれません。

左利き用の鋏もありますが、いざという時に人と同じ鋏が使えないと大変な事になります。

楽屋入りしてから私は、安い和ばさみを購入して家で紙を切る練習をしたりしました。

何事も回数をこなせば慣れるもので、今では右利き用の和ばさみも左手で問題無く使えるようになりました。

左利きに関しては、「装束付け」を覚える時により苦労をしたのですが、それはまた別の機会に。

今日もこれから八ヶ岳薪能の楽屋で鋏を使う機会が沢山あると思います。今日は「鋏」に感謝しつつ1日を過ごしたいと思います。

2件のコメント

  1. 涙ぐましい努力をされていたのですね。ところで鋏といえば、カニさんにも利き手(というか利きバサミ?)があるそうですね!

    1. ありがとうございます。シオマネキという、左右全く違う大きさの鋏を持つ蟹がいますね。

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