芦屋川散策
今日は夜に芦屋稽古だったのですが、稽古前に少し時間が空いていました。
そこで、例によって芦屋近辺で能楽に関わる場所を散策してみることにいたしました。
実は以前から気になる場所があったのです。
「芦屋川」という川沿いの狭い範囲に、能に関係する地名が点在しているのです。
そこで、まずは「阪急芦屋川駅」から散策をスタートして、海の方向へ芦屋川を下ってみました。
早速ですが、阪急芦屋川駅の近辺が「月若町」という町名でした。
「月若」とは能「藤栄」の子方の名前です。
藤栄に関わる証拠は無いかと探してみたら、ありました!
芦屋川駅近辺が能「藤栄」の舞台だったのですね。
そして月若町には何故か下のような高級マンションが。
能「松風」の舞台は須磨なのですが、実は「広辞苑」の「芦屋」の項に長い間「芦屋は能松風の舞台である」と誤記してあったということがあり、おそらくその情報をもとに付けられた名前なのでしょう。
芦屋に住んでいたのは、「行平」ではなくその弟の「在原業平」です。
なので、芦屋川を海の方向へ少し下ると、こんな橋がありました。
ちょっと見辛いですが「業平橋」です。
更に少し下ると、次の橋の名前が…
能「雲林院」のシテとワキの橋が並んで掛かっているのです。公光橋の辺りは町名も…
能「雲林院」で夢の告げを得た公光は、この辺りから京都北山の雲林院まで行って、業平の霊と対面したのですね。
芦屋川沿は美しい松並木です。その先には阪神電車の芦屋駅が。
海の気配が少し感じられる辺りまで歩くと、その塚がありました。
…読めないですね。。
「ぬえ塚」でした。
御所の上空で頼政に射落されて、淀川に流された鵺は、最後にはこの辺りに流れ着いたようです。
阪急芦屋川駅からぬえ塚まで、歩く時間は30分ほどです。
その間に「藤栄」「松風」「雲林院」「鵺」に関わる見所があり、道も下りが続くのでお勧めの散策コースでした。