あれは上見ぬ鷲の尾の寺 前編
江古田稽古場では、今団体の謡稽古で「田村」を稽古しています。
前半の所謂「名所教え」のシーンで、前シテ童子は清水寺の南には「歌の中山 清閑寺」があると教え、また北に鐘の音が聴こえると「あれは上見ぬ 鷲の尾の寺」だと言います。
清閑寺には小督の局の墓所があり、私も以前に参ったことがあるのですが、「鷲の尾の寺」は何処にあるのか、全く知りませんでした。
そうしたところに、江古田のお弟子さんが調べて下さって、「東山の正法寺(しょうぼうじ)というお寺がそうらしいです」と教えてくださいました。
平安時代に最澄が創建したお寺で、最初は「霊山寺」と称して、別称に「鷲の尾の寺」と呼ばれていたようです。
その後盛衰を繰り返して、明治以降は本堂など一部を残して規模が小さくなってしまったということでした。
これは一度行ってみたい!と思い、本日京大稽古前の僅かな隙間時間に思い切って正法寺を訪ねてみることにいたしました。
登り口は二寧坂の途中にありました。二寧坂は修学旅行生と外国人観光客で溢れかえっていました。
また振り返り、正法寺へのかなりの急坂を登り始めました。
(後編に続く)
こんにちは。
興味深く記事と写真拝見しました。
お疲れのところ時間を割いて、わざわざ調査に向かわれたこと先生の熱心な行動に感心致しております。階段の合計は213段のようですが、マンションの基準から推し量ると17階建ての高さかと思います。よくぞ訪ねてくださいました。素晴らしい眺望に会えたようですが、下からはよく見える寺なのでしょう。なお「しょうぼうじ」とありましたが、小生の調べでは「しょうほうじ」で、西京区の寺が「しょうぼうじ」でした。念のため申し添えます。 ありがとうございました。
遠藤様 コメントどうもありがとうございます。マンションの階段17階分はちょっと辛いですが、鷲の尾の寺への階段は、二寧坂の喧騒が段々遠退いていく静かになっていく感じで良かったです。
またお勧めの謡跡があればお教えくださいませ。澤田