自己評価の難しさ
己の実力を過信しない為の戒めとして、以下の喩え話を聞いたことがあります。
自分以外の誰かの舞台を見た時に、
・自分より下手だな、と思ったら、その人は自分とだいたい同等の実力である。
・自分とまあ同じ位の実力だろう、と思ったら、その人は自分より上手である。
・自分よりちょっとうまいな、と思ったら、その人は自分より遥かに上手である。
自らの力を過大評価してしまうと、その人の進歩の妨げになると確かに思います。
私は人の舞台を見る時には、上の話を思い出すようにしています。
一方で、澤風会東京大会が終わってから何人かの澤風会会員の方より挨拶のメールや手紙が届き、皆さん概して「出来が良くなかった」「なかなか進歩できない」というように自己批判をしておられました。
しかしこれを先程の喩え話の精神で考えてみると、自分の実力を低目に評価するのは決して悪い事ではないと思います。
むしろ満足や油断をせずに、自己に対して厳しい気持ちで今後の稽古に臨む人は、確実に上達するはずです。
私の見る限り、皆さん稽古の方向性と心の持ち方は全く間違っておらず、正しい道を進んでおられます。
どうかそこは私を信じていただいて、これからまた次の舞台に向けて稽古を積んでいただければと思います。
会がある度に 自分の拙さで もうリタイヤしようと 思います
でも ブロの舞台を 拝見すために 稽古は続けようと 今だ辞めないでおります
4月の五雲会を 楽しみにしております 盛久です
川上様 コメントどうもありがとうございます。私も舞台の度に自らの拙さにがっかりいたします。しかしそれを補って余りある素晴らしさが能にはあると思います。また、お稽古をされた上で見る舞台は、そうでない方と比べて楽しみが倍増する筈です。どうかお稽古をお続けなさってくださいませ。4月15日、もし私の姿が見えたら是非お声がけください。よろしくお願いいたします。