今井神社へ 後編
塩尻駅から広大な葡萄畑を抜けた先、アルプスの懐近くに今井地区はあり、その中にひっそりと今井神社がありました。
タクシーを降りて、人の気配の全く無い今井神社へ向かいます。
由緒書を読むと、別名兼平神社とも呼ばれて、およそ西暦1400年前後に兼平を祀るために建てられた神社のようです。
そしてこの地は兼平邸があった跡地との事。やはり兼平はこの今井地区に住んでいたのですね。
能楽が出来るのとほぼ同時期に建てられ、それから毎年の例祭と、五十年忌毎の大祭を欠かさずに今に至るそうです。
境内は綺麗に手入れされ、鳥居と本殿には立派な注連縄が張られています。
鳥居の向こうの瓦屋根は、これまた立派な神楽殿です。広さは三間×五間位はあります。
幸いに辺りに人影は無し、ここはひとつ兼平の仕舞を奉納…しようかと一瞬思いましたが、やはり遠慮しておきました。
社務所は固く閉じられており、誰もいないようでした。
例祭は毎年9月らしいので、今度は例祭に来て、宮司さんや地元の方に話を聞いてみたいと思います。
境内をひと回りして、本殿と、その左手にある兼平の墓所にお参りして、待たせていたタクシーに乗って今井神社を後にしました。
「いつか例祭で能兼平を奉納したい」と秘かに思いながら。。