変わること、変わらないこと

今日は、能楽ではない伝統芸術をされている方々に、能楽を見ていただく機会がありました。

私はお手伝いに行っただけなのですが、色々と興味深い事がありました。

能楽がその成立期から殆ど変わらずに現代まで続いて来たという事は、言葉としては理解していました。

しかしこれは本当に特殊な例で、能楽と同時期に興った同じ日本の伝統文化でも、時代と共に多様に変化しながら今日に至ったものもあるのですね。

能楽のように古から変わらず現代に伝わるのは素晴らしい事ですが、その為に現代人には理解し辛いという面もあります。

また時代に則して変化していけば、各時代毎の日本人に分かり易くはなりますが、その芸術の原初にあった思想や技術を正確に後世に伝える事はむしろ困難になるのかもしれません。

どちらが良いのかを判断する立場には勿論ありませんが、どちらのあり方も共に日本の誇るべき伝統文化なのだと思います。

私は能楽一本槍で、他の伝統文化にあまり眼を向けずにこれまで走って来ました。

でもこれから先、若い世代や海外の方に対して能楽を伝えていく為には、能楽以外の様々な日本の伝統芸術を知っておく事も大切だと思いました。

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