光秀公ゆかりの稽古場

今日は大山崎稽古のために早朝に東京を出ました。

新幹線はかつて無いほどがら空きで、私の乗った車両には10人ほどしか乗客の姿がありません。

新型肺炎の影響は徐々に大きくなっているように感じます。。

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しかしJR山崎まで来ると、全く普段と変わらない様子でホッとしました。

いや、厳密にはちょっと普段と違っていました。

まず下のようなポスターが駅などに何枚も貼ってあります。

そう、今年の大河ドラマは”明智光秀公”が主人公です。

そして山崎や隣の長岡京はその光秀公や、娘の細川ガラシャゆかりの地なのです。

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稽古場の「宝積寺」も天王山の中腹にあるので、境内には上のような「いざ!天王山」という幟がたくさんはためいていました。

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そして午前中の大山崎稽古を終えて、私が午後に移動した先は…

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亀岡です。

こちらには光秀公が築城した「亀山城址」があり、やはり大河ドラマで盛り上がっているようでした。

稽古場もその亀山城址の中にあるのです。

亀岡駅には明智光秀グッズがたくさん並び…

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城址のお堀端には新しく作られた”明智光秀公像”が立っていました。

亀岡には新しいサッカースタジアムも完成して、今年は色々と賑やかになるのでしょう。

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しかし稽古場に到着すると、城址の中は普段と変わらない静謐な雰囲気でした。

そして今年も梅の花が音も無く開花していました。

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世間は色々大変ですが、変わらず静かに咲く梅を見て、また何かホッとしたのでした。

お腹が空く稽古場所

今日は松本稽古でした。

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稽古場の公民館の都合で、最初の1時間は和室が使えませんでした。

その代わりに空いていた部屋がなんと…

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“調理実習室”です。

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過去色々な場所で稽古をして参りましたが、これは初めてのパターンでした。

据え付けの調理台の間に1〜2m幅の通路が縦横に走っている構造です。

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この通路を縫うように動いて調理台をうまく避けるようにして、試しに仕舞「加茂」の稽古をしてみました。

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もちろんとても不思議な感覚でしたが、ちゃんと一通り稽古出来て、内容も有意義なものになったのです。

部屋全体に微かに美味しそうな匂いがして、途中お腹が空いてきましたが…。

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1時間してから和室に移り、通常の稽古形態になりました。

いつもの大きさの和室が、なんだかとても広々と感じられました。

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稽古場所の可能性がまたひとつ広がった今日の松本稽古だったのでした。

節分の京都稽古

今日は京都紫明荘組稽古でした。

いつものように朝の地下鉄日比谷線は殺人的混雑でしたが、東京駅と新幹線車内はいつになく空いていると感じました。

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そして京都の「ゲストハウス月と」に到着して亭主さんに伺うと、やはり新型肺炎の影響で京都の観光客は激減しているとのことでした。

最初にいらした会員さんも、

「錦市場に人が少なくて、すいすい通れてびっくりしました!」

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なるほど。それはちょっと有り難い面もありますが、節分の日の観光客を期待している方々は大変なのだと思います。。

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紫明荘稽古の後は京大宝生会稽古に行きました。

今は吉田神社の節分祭が開催されていて、そこで購入した面を掛けた人の舞も披露され…

今日も賑やかに稽古を終えることが出来ました。

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順番は逆になりますが、今朝は富士山に珍しい雲がかかっておりました。

ちょうど富士山と上下対称に見えたのです。

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世間は色々騒がしいですが、今日の京都稽古は節分を祝うように穏やかに終始いたしました。

頼もしい若者達

今日は江古田稽古でした。

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夕方から小学生、中学生、高校生、東京芸大と日本女子大の大学生達が次々とやって来ました。

合計6人の小〜大学生を稽古したことになります。

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大学生達は皆1年生で、後期試験がちょうど終わったところだそうです。

大学生活最初の1年が無事に終わって、皆晴れ晴れとした顔に見えました。

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そのうち東京芸大の青年は、去年の今頃はまだ芸大の受験曲ばかり稽古していました。

その頃が遠い昔のように感じられます。

まだ修行は始まったばかりですが、この1年で多くの経験をして、確実に一回り成長しました。

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また幼稚園から稽古をしている女の子は、もう高校3年生になり、今まさに大学受験真っ只中なのです。

センター試験は無事に終わったそうで、先ずは安心しました。

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まだ二次試験があるのに稽古に来たのは、実はある大学の試験の一部に能楽を使うからなのです。

力を出し切れるように、これから1カ月間で作法を含めてしっかりと稽古したいと思います。

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小さな頃から稽古して来た若者達が、成長して自分の力で道を切り拓いていく姿は、とても頼もしく見えました。

松本の雲海

今週は目まぐるしく気候が変わり、予想外の景色を見てばかりいる気がします。

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今朝の松本では、雲海の上に浮かぶ北アルプスが見られました。

撮影の腕が足りず、実際の荘厳な雰囲気をお伝え出来ず申し訳ございません。。

しかし松本でこういうスケールの大きな雲海を見るのは初めてでした。

この後すぐに、また山は雲に覆われてしまいました。

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東京に戻ると、早速江古田で郁雲会の皆さんの舞囃子と仕舞の稽古をしました。

そして田町に移動して、夜までみっちり稽古いたしました。

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今年も早ひと月が過ぎようとしております。

そして3月7日の郁雲会澤風会の舞台も近づいて参りました。

ここから徐々にエンジンをかけて、本番に向けて盛り上げていきたいと思います。

能楽を通じて結ばれた御縁

昨日の松本ワークショップはおかげさまで無事に終了いたしました。

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60人のお客様のうちの多くは、実は見知ったことがある方々でした。

松本澤風会会員さん、そのご家族、そして以前に稽古されていた方、またそのご家族など。

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それらの皆さんは、10年の時をかけて松本澤風会稽古を通じて御縁が出来た方々なのです。

ワークショップをしながら見知ったお顔、懐かしいお顔を見つけるたびに、感慨深い気持ちになりました。

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ワークショップの途中の休憩時間に、私はひとりの記者の方に声をかけられました。

なんとその記者さんは、8年前まだ稽古を始めて間もない頃に、松本澤風会新年会の記事を書いてくださった方でした。

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そして当時、その記事をタウン情報紙で読んだ1人の男性が新年会に来てくれました。

彼は私の京大時代の知人で、金春流太鼓を長く稽古している人でした。

そしてすぐに彼が太鼓の稽古場を開設することになり、松本澤風会と密に連携しながら、この8年間で松本の能楽の裾野を広げてきてくれたのです。

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記者さんは今度は太鼓の稽古場を取材してくださるとのこと、またその記事が元で御縁が繋がっていくと良いです。

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今回のワークショップでは、また新しい方とも何人もお知り合いになれました。

こうして松本で能楽を通じた御縁を広げていって、やがて能楽堂建設へ、さらにこの地が能楽の大きな拠点のひとつになることを目指していきたいと思います。

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昨日のワークショップに関わった皆様、そしていらしてくださった皆様まことにありがとうございました。

今後もどうかよろしくお願いいたします。

松本能楽堂建設に向けたワークショップ

今日は松本稽古で、今特急あずさで松本に向かっております。

しかし今回は稽古の前にもうひとつ重要な仕事があります。

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「松本に能楽堂を!」

という悲願を達成するための一歩として、松本城近くの老舗ホテルにて能楽ワークショップを開催するのです。

地元の方を中心に60人ほどの方々が集まると伺っております。

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主催者側は、私以外に「琥珀の会」シテ方囃子方メンバーが地元松本、東京、京都、そして浜松から集合してくれます。

そして松本澤風会で稽古している開智小学校の子供達も、仕舞を舞ってくれるのです。

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仕舞と舞囃子の実演。

型や謡の体験。

それらを通じて能楽の魅力を発信するだけでなく、

「松本能楽堂建設」に向けたPRをすることが求められる重要なワークショップです。

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途中の山梨県内は一面の銀世界でしたが、幸いに松本市内は晴天に恵まれました。

60人のお客様の良い反応が得られるように、精一杯勤めたいと思います。

2020年大山崎新年会

今日は大山崎稽古場の新年会でした。

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稽古場の宝寺で「羽衣」を一曲全員で謡った後に、毎年恒例の鍋の準備に取り掛かりました。

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鍋の中身は豚肉とレタスのみ。

お湯に日本酒をたくさん足して煮立たせます。

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取り皿には大量の大根おろしとネギ、そこにポン酢と”カンズリ”という新潟の発酵調味料を入れて食べるのです。

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私は毎年新年にこの鍋を食べ続けて、もう15回目になります。

大根は会員さんが畑で丹精込めて作ったもので、毎年大変美味しいのです。

本当は他の野菜も育てていたのに、今年は収穫前に2頭の猪に全部食べられてしまって、大根だけが無事だったとのことです。。

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鍋を食べながら色々なお話をしましたが、中で特に嬉しい話題がありました。

最高齢で今年90歳になる方が、

「今年の澤風会15周年の時には、ちゃんと座って仕舞を始めることを目標にします」

と仰ったのです。

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その方は数年前に膝を痛められて、それ以来仕舞は立ったままで、それでも毎年必ず舞台に立ってくださっているのです。

そして宝寺に向かう急坂もまた必ずご自分の足で登って稽古に来られます。

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そうやって足を鍛えて、今年9月の澤風会15周年大会では「下ニ居」をしてから仕舞を始める、と宣言されたのです。

一同感服して拍手を送ったのでした。

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そして去年2月から新たに稽古を始めた方も、今回から新年会鍋に参加されました。

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大山崎稽古場は、例年にも増して活気に満ちた一年のスタートになりました。

私も一層頑張って稽古させていただこうと決意して、もりもりと鍋をいただいたのでした。

小説より奇なり…

今日は京都市北文化会館にて紫明荘組稽古でした。

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今回は京大若手OBOGが10人程も来てくれて、賑やかな稽古でした。

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3月7日の東京澤風会に出す素謡「東北」と仕舞の稽古をするOBさん達。

琥珀の会に向けた舞囃子「山姥」を稽古する金沢のOGさん。

修論を無事に提出して新しい仕舞「笹之段」を始めたOGさんなどなど。

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去年卒業して就職し、久しぶりに顔を見せてくれたOGさんは、昨年末にスケートで転んでそれから色々大変なことになった話をしてくれました。

予想外の展開で緊急入院したり、本当に大変だったようですが、今もうすっかり元気ということで安心しました。

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今日は稽古中に全く唐突に刑事ドラマのような捕り物劇があったりもしたのです。

なんだか「事実は小説より奇なり」という言葉を思い起こしてしまうような、ドラマチックな紫明荘組稽古だったのでした。

2020江古田での稽古始め

今日は午前中に水道橋宝生能楽堂にて五雲会申合があり、私は能「春日龍神」の地を謡いました。

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それから江古田に移動して、夜までノンストップで稽古いたしました。

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江古田での稽古始めの今日は、ほぼ全員勢揃いで、そのうえ江古田でも新年から新しく稽古を始められた方がいらっしゃいました。

全国的に新しい会員さんが増える傾向で、有り難い限りです。

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色々話題もあるのですが、今日は終日全力モードでしたので、ブログは短めで失礼いたします。