久しぶりの子供達

今日は夕方からの江古田稽古でした。

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春の「澤風会東京大会」以来、しばらくお休みだった高校生と中学生の姉弟が久しぶりに顔を出してくれました。

とても嬉しいことでした。

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今年中学生になった弟君は、久しぶりにもかかわらず稽古してみると型が明らかに上手くなっていました。

聞くと、国分寺宝生会で仕舞「熊野」の稽古を厳しくしていただいたそうで、成る程と納得しました。

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お姉さんの方は、間も無く大学受験とのことです。

幼稚園から稽古を始めて、稽古歴10数年。

実は澤風会では「最古参」のひとりになるのです。

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無事に大学に入ったら、是非関宝連のどこかの能楽部に入部してもらいたいと思います。

自治医大や日本女子大、そして京大宝生会などと交流してくれたら、また新しい化学反応が起こるのではないかと期待しております。

門松の準備

今日は朝から京都大山崎の宝寺での稽古でした。

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宝寺に着くと、稽古場の玄関に太い孟宗竹が何本も寝かせて並べてありました。

全てが1mほどの長さに斜に切られています。

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聞くと、お正月の「門松」の準備だそうです。

こういう光景を目にすると、「今年ももう終わるのか…」と、何か感慨深い気持ちになります。

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大山崎稽古も今日で今年最後でした。稽古を終えると、

「どうか良いお年をお迎えください」

と挨拶して稽古場を後にしました。

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そして昨日「関西宝連」を終えたばかりの香里能楽堂へ。

今日は今週土曜日に開催される「宝門会」の申合があったのです。

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昨日は学生の熱い舞台が繰り広げられましたが、今日は今日で能「松風」、舞囃子「当麻」などの難曲がずらりと並ぶ”熱い”申合でした。

特に「松風」は申合で1時間半以上かかり、終わると「またひと山越えられた…」とホッといたしました。。

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明日からは暫し”稽古モード”の日々です。

何ヶ所かの稽古場で、

「良いお年をお迎えください」

と挨拶して、今年の稽古を締めくくって参ります。

今年を締め括る関西宝連

今日は昼間に「ゲストハウス月と」にて紫明荘組稽古、夕方から京大宝生会稽古でした。

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京大宝生会は、明後日15日に香里能楽堂にて開催の「関西宝連」前の最後の稽古になります。

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明後日の「関西宝連」は今年の締め括りの舞台です。

思えば今年は、5月の「第120回記念京宝連大会」、6月の「全宝連京都大会」、そして能「竹生島」を出した11月の「京大能楽部 能と狂言の会」と、例年よりも大きな舞台が続いた年でした。

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その最後を飾る舞台、そして卒業生にとっては現役最後の舞台でもあります。

少しでも良い仕舞と謡になるように、終電ギリギリまで稽古しました。

現役達はまだ稽古を続けていることでしょう。

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明後日は、阪神宝連から能「加茂」が出ます。

甲南女子大学と神戸大学が前と後の役を交代で勤めますが、神戸大学としてはおよそ50年ぶりの演能だそうです。

甲南女子大学は、おそらく初めての演能になるのだろうと思います。

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その記念すべき能「加茂」が成功するように、そして京大宝生会の皆が良い舞台を勤められるように、明後日は朝からしっかりとサポートしたいと思います。

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「関西宝生流学生能楽連盟自演会」

12月15日朝10時始曲 於香里能楽堂。

能「加茂」は一番最初に演じられます。

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皆様是非お越しくださいませ。どうかよろしくお願いいたします。

田町稽古場プチ発表会

今日は田町稽古場での忘年会がありました。

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例年は普通に稽古した後に忘年会なのですが、今年は初めての試みとして忘年会前に「プチ発表会」を開催いたしました。

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稽古場の和室を舞台に見立てて、1人ずつ5分程度の「独吟」もしくは「仕舞」を発表するのです。

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番組は、

独吟「草薙」、「氷室」、「紅葉狩」、「箙」、「海人」

仕舞「笹之段」

でした。

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普段稽古している和室で、稽古と同じ曲を僅か5分ほど発表する会です。

それなのに、皆さん大変な緊張感を持って臨まれているのが切実に伝わって来ました。

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この発表会のために稽古を積んで、無本で謡われた方も何人かおられました。

この「プチ発表会」のおかげで一人ひとりの実力がまたグンと上がったと感じられて、とても良い1年の締め括りとなりました。

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その後の田町駅前での忘年会は、「プチ発表会」の緊張感から開放されたこともあってか、皆さん実に楽しく盛り上がりました。

この田町稽古場プチ発表会は、今後も出来れば年に数回開催したいと思います。

松本リスタート

昨日は松本稽古でした。

先月の「松本澤風会」以来の稽古になります。

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いつも会が終わった直後の稽古の時には、

「果たして皆さん、また来てくださるだろうか…」

とちょっと不安になったりします。

会で燃え尽きて、お休みになってしまう人がいるかも…などと考えてしまうのです。

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しかし松本稽古場に関しては、それは全くの杞憂でした。

昨日もほぼいつも通りのメンバーで、中でも先日の会で”初舞台”を踏まれた6人が全員揃って元気にいらしてくださったのが有り難いことでした。

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そして全員が新しい仕舞を決めて、それぞれの仕舞を私が舞って録画してもらいました。

10番くらい謡いながら舞って、正にてんてこ舞いの状態でした。

しかし皆さん、実にやる気に満ち溢れた視線と姿勢で私の舞をじっと見つめておられます。

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その”やる気”がまた有り難いことだと思い、稽古にも一層熱が入ってちょっと暑いくらいでした。

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そう言えば、松本も今冬は暖かいようです。

稽古場への行き掛けに、松本駅前の居酒屋さんでこんな光景を目にしました。

完全屋外の「こたつ席」。これは初めて目にするタイプの席です。

「こういう席でおでんと熱燗なども良いかも知れないな…」などと一瞬思いました。

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とは言え本当に寒さが厳しいと、いくら何でも耐えられないでしょう。

これも今年の暖冬を物語っているのだろう…と思って通り過ぎたのでした。

松本澤風会2019御礼

昨日は松本城近くの日本料理店「凡蔵」の御座敷で「松本澤風会」を開催させていただきました。

今回も沢山の方々に本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

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また今日は、昨日初舞台の仕舞「猩々」と素謡「橋弁慶」を無事に終えられた会員さん御夫妻の御宅にお邪魔させていただきました。

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松本から北へ1時間ほどの池田町の山の斜面に建てられた御宅は、暖炉が燃えて暖かで、窓からは北アルプスの素晴らしい眺望を楽しむことができる素敵なお家でした。

御宅から見える常念岳から白馬方面までのパノラマです。

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広々としたリビングのテーブルには奥様お手製の野沢菜漬け、奈良漬け、大根漬け。

やはり手作りの”味噌パン”。

りんごや柿などの季節の果物。

ご主人が天才的な技量で淹れてくださった珈琲。

それぞれ地元のものを使った、心のこもった品々でした。

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そしてテラスには干し柿、お庭には原木椎茸や沢山のハーブ、里山の様々な草木達。

軒下には冬を越すための膨大な量の薪…。

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大自然の中で、その自然と共生して豊かな暮らしをされている御夫婦は、御宅と同様にその生き方が実に魅力的だと思いました。

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今回色々とお世話になりました皆様、重ねて御礼を申し上げます。

誠にありがとうございました。

様々なお便り

今日は江古田稽古でした。

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夕方にメールが届いていたので、稽古の区切りで確認しました。

先日岩手県の正法寺で「地水火風」の舞台を共にした尺八奏者ラルフ・サミュエルソンさんからのメールでした。

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今成田空港で、間もなくアメリカに帰ること。

そして来年は是非東京で再び「地水火風」の舞台をやりたいということが書いてありました。

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今頃は太平洋上空を飛んでいるであろうラルフさんに、正法寺での御礼と、こちらこそ来年は是非東京で「地水火風」をやりたいという返信をお送りしました。

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昨日はまた別のお便りが読者の方より届きました。

亀岡のことを書いた昨日のブログへのコメントとして届いたお便りです。

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亀岡で毎年フジバカマに飛来する「アサギマダラ」という旅する蝶。

そのアサギマダラを巡る物語が、NHKのラジオドラマとして放送されたという内容でした。

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私の好きな蝶がドラマになったとは、何とかして聴いてみたいと思いました。

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今週は他にも、あまねく会の記事へのコメントも頂戴いたしました。

この場で御礼申し上げます。ありがとうございました。

本番を迎えるために

昨日は朝に「地水火風」の稽古、午後から松本稽古に移動しました。

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台風19号の土砂崩れでずっと止まっていた「特急あずさ」が、ギリギリ月曜日に復旧して無事に新宿から松本に行くことが出来ました。

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私は1週間前に名古屋周りで行った時と同じ、長袖シャツ1枚の格好でした。

しかし1週間で急速に気温は下がっており、流石の暑がりな私も少々肌寒く感じました。

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先週に今年初めての紅葉の写真を撮った「四柱神社」に行ってみると…

紅色が明らかに増えていました。

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また松本PARCOの前を歩いていると…

ナナカマドの実が真っ赤になり、葉も半分赤くなっているのを見つけました。

ナナカマドが沢山の実をつける年は寒くなる、と聞いた記憶があります。今年は寒くなるのでしょうか…

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秋に木々が紅葉するのは、冬を越すための養分を得るためだそうです。

松本の冬本番は急速に近づいているようです。

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しかし松本稽古場に到着すると、来月17日に迫った「松本澤風会大会」の本番を迎えるための熱い稽古が始まりました。

舞囃子「井筒」「女郎花」「雲林院」の稽古や、今年になって入られた6人の方々の初舞台に向けた仕舞の稽古などなど。

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あと20日ほど先の「松本澤風会大会」本番の日には、晩秋の松本の街で寒さを吹き飛ばすような熱気溢れる舞台をお見せしたいと思います。

離れては近づいて

昨日は昼間に水道橋で申合があり、夕方から江古田稽古でした。

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夜になって最後に江古田稽古場に来たのは、北陸在住の京大宝生会若手OGさんでした。

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今週は出張で東京に来て、霞ヶ関のある官庁でずっと仕事をしていたそうです。

夜まで働いて疲れているのに稽古に来てくれるとは、とても有り難いことです。

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そしてOGさんからちょっと嬉しい話を聞きました。

彼女が仕事をしていた官庁で、偶然にも京大宝生会同期の若手OBが働いていて、昨日は霞ヶ関でランチを共にしたそうなのです。

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京大を卒業する段階では全く異なる職種を選び、住む場所も互いに遠く離れた彼らです。

それが巡り巡って近い分野の仕事をするようになり、ついに同じ仕事場で再会を果たした訳です。

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そして若手OBさんもまた澤風会で稽古をしたいと言ってくれたそうです。

遠く離れてはまた近づいて、人の縁とは不思議なものだと昨日改めて実感しました。

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今日は水道橋で昼間に日曜開催の別会の申合、そして夕方からは明日土曜開催の藪克徳くんの会の申合が続いてありました。

“能繁期”らしいスケジュールで、謡や諸々を覚えるのに些か苦労しております。。

今日はこれにて失礼いたします。

田町の忘年発表会

昨日は松本から東京に移動して田町稽古でした。

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田町稽古場では、毎年12月の稽古の後に忘年会をすることにしております。

そして今年は会員さんからのご提案で、忘年会の前に「発表会」をすることになりました。

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全員が1人ずつ、”仕舞”もしくは”独吟”を皆の前で披露するという発表会です。

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昨日は初めてその発表会のための稽古をいたしました。

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“独吟”は全員違う曲を選んで、仕舞部分かその程度の長さの謡を1人で謡います。

そして可能な限り「無本」で謡うことにしてもらいました。

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1人だけで役も地謡も謡うのは、田町の会員さんにとって全く初めての試みでしたが、これは大変勉強になることだと感じました。

修正点が良くわかるので注意しやすく、また普段よりも緊張感があって、その分意欲的に稽古されているように見受けられました。

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また稽古が終わった後に「何か一曲でも空で謡える曲があるのは嬉しい」という声も出たそうです。

確かに、今回覚えた独吟をどこか別の場所で自分で発表したりも出来るのです。

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田町稽古場の初めての「忘年発表会」。

これは是非毎年恒例行事にしたいと思いました。