四つ葉タクシー!

今日は午前中から夕方までノンストップで紫明荘組稽古、そこから間髪いれずに京大に移動して、21時過ぎまでみっちり稽古しました。

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その時間まで稽古すると、京都駅まではバス移動だと最終の新幹線に間に合いません。

贅沢だとは思いながら、京大BOX棟の前からタクシーに乗ることになります。

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今日の京都は雨模様だったのでタクシーの需要が大きいのか、なかなか空車が通りません。。

一緒に待ってくれている現役に、「雨だからもういいよ」と声をかけて、1人で待とうと思っていると、ようやく遠くに空車のタクシーが見えました。

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すかさず手を挙げて止まってもらうと、クローバーマークの”ヤサカタクシー”でした。

そして私は瞬時に気づきました。

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「おお!四つ葉タクシーだ!!」


ヤサカの四つ葉タクシー!

普通は三つ葉のクローバーマークが”四つ葉のクローバー”になっている車です。

半ば都市伝説的に噂を聞いていましたが、京都に来てから数十年、一度たりとも姿を見かけたこともありませんでした。

それが遂に私の目の前に…!

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大喜びで乗り込んで、「四つ葉ですね!初めて見ました!!」と興奮気味に話しかけると、「夜道で、乗車される前に気がつく方は珍しいですね。」と笑いながら運転手さん。

そして、「これは記念にどうぞ」と何やら差し出してくれました。


見ると、乗車記念カードでした。

なんと、1300台のうち4台しか無いと書いてあります。

ましてや他の会社のタクシーも入れると、出会えたのは全く奇跡的なことです。

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せっかくなので、運転手さんに色々聞いてみました。

私「四つ葉以外にも、レアなタクシーがあった気がするのですが…」

運転手さん「はい、上賀茂神社さんとのコラボ企画で”ふたばタクシー”があります。それは2台だけです。あとは、バレンタイン期間限定で女性ドライバーの車がピンク色のクローバーになります!」

おお、ヤサカタクシー色々頑張っているのですね!

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私「四つ葉タクシーのドライバーはどうやって選ばれるのですか?」

運転手さん「様々な規定に照らして、会社から任命されるのです。」

その時は、後ろ姿なのに運転手さんがちょっとだけ胸を張ったような気がしました。

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話しながら気がつくと、京都駅に向かう道順がいつもと少し違うことに気づきました。

車は東大路をひたすら南下して、やがて七条も越えた先の細い路地を右折しました。

私「珍しい道を行くのですね…」

すると、

運転手さん「この道をずっと行くと、”京都タワー”が真正面に見えて来るのです。お客様のようにこれから京都を発って行かれる方に、思い出でも無いのですが最後に京都タワーを見ていただきたくて、この道を通るようにしております。」

なんと、たしかに道の向こうには、京都タワーが”ドーン”と屹立していました。

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今日も朝から晩までノンストップ稽古で少々ハードな1日だったのですが、最後に”四つ葉タクシー”に出会えて非常にハッピーな気分になりました。

そして、「乗る人皆が幸せな気持ちになる車」を運転出来るあの運転手さんが、ちょっとだけ羨ましいと思ったのでした。

女装、男装…

今日9月9日は重陽の節句の日でした。

水道橋宝生能楽堂では月並能が開催され、私は能「井筒」の後見を勤めて参りました。

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「井筒」の後シテは、紀有恒の娘が在原業平の形見の衣と冠を身に纏った姿で登場します。

何度見ても美しい姿だなあと思いながら後見座から見ていたのですが、そこで何やら妙な既視感を感じました。。

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よくよく思い出してみると、それは一昨日夜のことでした。

京大能楽部BOX棟の横にある”吉田寮”では、いつもの如く何やら怪しげなお祭りが開かれていました。

大量の材木を組み合わせて、本格的な二階建の出店が寮食堂前に出現しており、カレー屋やチャイ屋やバーなどなど、実に魅力的な異世界空間が展開されていました。

誰かが「リアル森見登美彦の世界だ」と言っていたそうですが、全くその通りに見えました。

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このような魅惑的な祭りには、ついつい吸い寄せられてしまいます。

京大宝生会の何人かと、祭りを覗きながら吉田寮方向に歩いて行きました。

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その時に吉田寮の玄関から、何人かの大学生がぞろぞろと出て来たのですが、これが皆何故か女装した男子学生だったのです。。

女装してはいますが、顔は普通のむさ苦しい男子なので、思わず「おえ〜っ」と声を上げてしまいました。

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男装の女性は美しく見えるのに、逆は何故あんなに不快に感じるのだろうか…。

あの一昨日のセーラー服男子は実に不気味であった…。

と井筒の美しい序之舞を見ながらぼんやりと考えたところで、「しかし自分も舞台の上では頻繁に女装しているな…」と気付いて、「うーむ」となってしまいました。。

昨日の台風の被害

今日は予定していた稽古がキャンセルになり、ぽっかりと空いた1日になりました。

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なので、先延ばしにしてしまっていた京都澤風会の番組を作ろうと、”ゆいの森あらかわ”に向かいました。(家では作業出来ない人間なのです…)

外は台風一過の晴天でしたが、風はまだ時折強く吹いていて、テラスに出ると本を読むのにちょっと苦労するほどでした。(番組作りは…?)

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風に吹かれながら、今回の台風21号の恐ろしさを改めて思い返しました。

昨日の午前中のこと。

京大宝生会と私は、仁和寺駅から嵐電に乗って北野白梅町へ移動しました。

北野天満宮に素早く参詣後、まだ動いていた市バス203に乗り、烏丸今出川で私は京大宝生会と別れて下車。

それから速やかに地下鉄烏丸線で京都駅へ向かいました。

新幹線ホームに上がると、ちょうど11時5分発の”のぞみ”が定刻にやって来たところでした。

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乗り込んでホッとしたのも束の間、車内アナウンスが。

「米原地区強風の為、ただ今より運転を見合わせます」

なんと…これは暫く待って動かなければ、降りて京都市内で台風の通過を待つか…、と覚悟しました。

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幸いに間もなく「強風がおさまったので、発車いたします。」とアナウンスが流れて、のぞみは京都駅を出発しました。

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名古屋まではノンストップで到着し、風雨も少し落ち着いたように見えました。

しかし静岡県に入った辺りから再び嵐になり、窓外が雨の飛沫で全く見えない状態になりました。かつてこれ程の状態は見た覚えがありません。

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いつ止まるか、徐行運転になるか…とハラハラしながら、見えない車窓を見ていたのですが、不思議に新幹線は止まることなく新横浜に無事に到着しました。

そして更に品川駅に無事滑り込んだところで、私は「やれやれ、ここまで来れば安心」と、ホッとため息をつきました。

ところがまたその瞬間にアナウンスが。

「東海道新幹線はただ今より、上下線とも運転を見合わせます。再開には相当な時間がかかる見込みです。」

なんと…

しかし品川ならば在来線が通っています。他の乗客と共に下車して、山手線に乗り換えて無事に帰宅出来たのでした。

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そして帰宅後のニュースや様々な映像で、京阪神の惨状を知りました。

我々がつい午前中に参詣した北野天満宮や仁和寺が、倒木などで大変な被害を受けています。

また嵐山渡月橋や、下鴨神社も。

更にはつい先ほど新幹線に乗ったばかりの京都駅の天井が崩落して、怪我人が何人も出るという信じられないニュースも見ました。

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大阪や神戸は、高潮や猛烈な風で更に大きな打撃を受けていました。

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京都の知人達はとりあえず大丈夫そうですが、大阪神戸の方々が本当に心配です。

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今回の台風で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、また未だ続く停電や交通障害などの1日も早い復旧を併せてお祈りいたします。

経政能合宿

京大宝生会では、過去能が出る度に「能合宿」を行なって来ました。

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基本的にその能の舞台になった場所の近くで稽古をして、可能ならばその場所でゲリラ的に演能をしてしまう、という合宿です。

最近では一昨年の「巻絹合宿」で、熊野大社を望む熊野川の土手で能「巻絹」奉能。

過去には「葛城合宿」で葛城山頂での能「葛城」演能などの実績(?)があります。

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そして今年、京大宝生会は12月16日の関西宝連にて能「経政」を出す予定なので、「経政合宿」を敢行することにしました。

場所はやはり御室仁和寺近くということで、「宇多野ユースホステル」になりました。

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先ずは昨日の午前中に部員が京大BOXに集合して、「経政」の稽古開始。

その後私が大山崎稽古を終えて合流し、しばしBOXで稽古してから宇多野ユースホステルへ。

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しかしニュースでは非常に強い台風21号が近畿地方に接近中と繰り返しています。

本当は本日9月4日にゆっくり仁和寺や双ヶ丘などを散策する予定でしたが、それは危険だと思われました。

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なので、昨日月曜日に色々な予定をギュッと凝縮することにしました。

到着後、まずは稽古→晩御飯→稽古。

地謡を中心に稽古して、能地の作法なども詳しく説明しました。

晩御飯はユースホステルらしく、健康的で量が多いもので大満足でした。

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そして、稽古が一段落した20時半頃。

我々は「夜の散歩」に出発したのです。

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目的地は一応「双ヶ丘」。しかし適当な裏道を歩くので、全然違う場所に行き着く可能性ありです。

宇多野ユースホステル周辺は、アップダウンを繰り返す細い路地が密集しており、なかなか魅力的な散歩道でした。

「えーと、次を左に曲がろうか」

「そろそろ右折かな…」

などと全く行き当たりばったりに歩いていたのですが、不思議なことにピンポイントで「双ヶ丘」の登り口に到着してしまいました。

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階段状の登山道が暗闇の中へと続いています。

普通ちょっと尻込みしそうな怖い雰囲気でしたが、現役部員達は積極的なのです。

「登ってきます!」「私も!」「僕も!」

という感じで、結局全員で登山開始。

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結果的に私は途中で下山したのですが、何人かは無事に「一の丘」に登頂成功。

綺麗な夜景の写真を送ってくれました。

残念ながら月は出てくれず、「月に双の丘の松の…」という風景はお預けでした。

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そして今朝起きると、幸いにまだ天気は崩れていませんでした。

やはり美味しいアメリカンブレックファースト(味噌汁とご飯もありましたが…)をいただき、早々にユースホステルを出発。

仁和寺は台風の影響で拝観停止でしたが、かわりに嵐電で北野白梅町に出て、素早く北野天満宮に参詣。

雨の降る前に無事各自帰宅したのでした。

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今回は台風などで予定が色々変わってしまいましたが、それでも非常に充実した、なおかつ思い出深い能合宿になったと思います。

この能合宿を経て、能「経政」は単なる一度の舞台としてではなく、もっと大きく大切な経験として部員や私の心に刻まれることでしょう。

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しかしそれには先ず、本番まで完全燃焼して走り切らなければ。

ここから本番に向けて、更に頑張って稽古して参りたいと思います。

怒涛の8月を終えて

今日から9月になりました。

思えば8月は、水道橋宝生能楽堂にて能「鵺」を稽古しながら迎えたのでした。

そして正に怒涛のように過ぎていきました。

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9月は一応静かに布団の中で迎えたのですが、果たしてどんな月になるのでしょうか…?

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9月1日といえば、小中高生の頃は始業式の日でした。

ひと月半ぶりに教室で同級生達と再会して、夏休みの話などをしたものです。

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高校の時には陸上部だったので、夏休みも毎日練習でした。

始業式で会う運動部の連中は、私も含めてひと夏の練習で黒く日に焼けて、筋肉がついて一回り大きく逞しくなったように見えました。

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時は流れて、私の今年の9月1日は通常の亀岡稽古でした。もう始業式は無いのです。

そしてこの夏は、陸上部のようなトレーニングも勿論しませんでした。

しかし今年の8月を思い返してみると、心に強烈に残る出来事がいくつもありました。

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ひと月で4回通った岡山吉備津神社の子供能楽教室。

薪能で初めてシテを勤めた松本城薪能では、雨雲が逸れてくれるように天に祈りながら能「鵺」を舞いました。

東広島のこども園での能楽教室では、1〜4歳児40人を相手にするという得難い経験をしました。

初めて銀座の観世能楽堂にて舞囃子を舞った佳名会。

そして8月最終日の昨日には盛岡で、伝統文化活動の担い手が集まってのセミナーでの発表という、これも全く初めての経験をいたしました。

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他にも七葉会の舞台や、琥珀の会立ち上げの稽古や、京大宝生会合宿などなどがあり、それら全てがまた自分の肥やしになったと感じます。

日焼けもしていないし、筋肉も増えておりませんが、夏の前の自分よりも少しだけ強くなった手応えがあります。

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宝生流の在京能楽師にとっては、始業式に近いのが9月9日の月並能だと思います。

8月は定例会が無いので、宝生能楽堂に約ひと月半ぶりに楽師達が集まるのです。

皆さんどんな経験を積んで、どんな顔でまた水道橋の楽屋に戻ってくるのでしょうか。とても楽しみです。

私もこの夏の経験を活かして、また秋の能楽シーズンに全力で向かっていこうと思っております。

無尽蔵な体力

今日は8月2日以来ほとんど1ヶ月ぶりの江古田稽古でした。

稽古日を決めた時は、「8月も30日頃になれば多少は涼しくなっているはず」と期待していたのですが、今日も朝から容赦の無い酷暑でした。。

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今週は月火水の3日間で幼稚園〜大学生までの稽古や舞台や合宿をこなして、朝起きると疲れが残って身体が些か重たい感じでした。

しかし久々の江古田稽古なので、新しい曲を始める会員さんも多く、昼から先程まで疲れを忘れてモリモリと稽古いたしました。

先程稽古が全て無事に終わると、流石に「ふう」というため息と共に疲労が戻って来た気がします。

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それにつけても今週はいくつかの場面で、若者達の無尽蔵な体力に圧倒させられました。

例えば京大の合宿では、「合宿2日目の朝に、6人くらいで朝5時に起きて寂光院まで散歩に行って来ました!」と聞いて驚愕しました。

私ならば、たとえ2日目で体力に余裕があっても、その後の稽古の事を考えて1分でも長く寝ているはずです。

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また京大合宿に飛び入り参加した高校生は、1泊して翌日昼頃にバスで帰って行きました。

その夜に彼からメールが来たのですが、「あれから下鴨神社に行って、その後京都駅前の新福菜館でラーメンと炒飯を食べて、伊勢丹の地下で柿の葉寿司をお土産に買って帰りました!」という内容で、こちらも驚きでした。

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彼は前日の夜は、京大生と共にバウムクーヘン作りなどをして、相当夜更かししているはずなのです。

しかも猛暑の京都の午後です。

やはり私ならば、”観光→ラーメン→お土産”のフルコースは絶対不可能で、速やかに新幹線に乗って眠りに入ったと思われます。。

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若者達の”無尽蔵な体力”を羨ましいとは思いますが、現在の私には望むべくもありません。

とりあえず、これからモリモリと晩御飯を食べて、明日からの仕事に備えて少しでも体力を充電しようと思っております。

合宿でやる事

今日も1日朝から晩まで京大合宿でした。

今回私が稽古したのは、

仕舞:春日龍神、半蔀キリ、龍田キリ、箙、籠太鼓、兼平、敦盛キリ、羽衣クセ、清経キリ、松虫クセ、胡蝶、七騎落、羽衣キリ、芦刈キリ、右近、小袖曽我。

舞囃子:花月、班女、箙。

能:経政。

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現役達はこれらに加えて、

謡:加茂、経政、半蔀、雲雀山、土蜘。

の5番も全曲鸚鵡返しで稽古していました。

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これだけの舞と謡が、5日間のうちに情報として京大宝生会に吸収された訳です。

今回も実りの多い合宿だったと思います。

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訳あって来られなかった何人かも、映像や音源などで合宿の内容をフォローしてくれるはずです。

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そして今の現役達のすごい所が、これだけの稽古をしながら遊びも全力でやるところなのです。

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これはなんだと思いますか?

竹の棒にアルミホイルを巻いて、そこに何らかの食材が塗り付けてあるのです。

これに…

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更にクリーム状のタネをかけながらバーナーで炙っていきます。

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かけては炙り、かけては炙り、だいぶ太くなりました。もう一息…。

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完成したようです。

しかしこの段階でも何という食べ物なのか謎ですね。。

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アルミホイルを引き抜いて輪切りにすると….

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なんと”手作りバウムクーヘン”だったのでした。

大変な労作です。

そしてバウムクーヘン以外にも…


“じゃがバター”や、様々なホイル焼きが次から次へと登場します。

「ホイル焼きパーティ」は夜更けまで続いたのでした。

これもまた長く記憶に残る合宿の思い出になりました。

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私は明日の朝に岡山に向かいますが、現役達は謡5曲の「謡納め」をしてから帰ります。

あと一息、最後まで頑張ってほしいものです。

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それから、今回も実に大勢のOBOGが合宿所を訪れて、鸚鵡返しなどの稽古を厳しくしてくれました。

彼らの存在が京大宝生会を支えてくれているのだと、とても頼もしく思いました。

京大合宿2018年夏

毎年春休みと夏休みに、謡三昧舞三昧の濃い合宿を行う京大宝生会。

この夏も先週末から京都大原にて合宿を敢行しています。

私は今日の昼過ぎから仕舞の指導で参加しました。

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今回はいつもとちょっと違うことがありました。

江古田で稽古している高校3年の男の子が、今回限定で合宿に参加したのです。

彼は来年東京芸大を受験して、能楽師を目指す予定です。

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2人で合宿所の民宿に近づいていくと、中から謡が響いてきます。玄関先で鸚鵡返しをしているペアがいました。

先輩の方が振り返り、「先生ご無沙汰しております!」

おおなんと!勉強が忙しくて春からお休みしていた4回生が、久しぶりにやって来てくれたのです。

これは大変嬉しいことでした。

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高校生は果たして京大宝生会とうまく交流できるだろうか…

と少々心配しつつ、彼を現役達に任せて私は仕舞の稽古に入りました。

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午後いっぱい稽古して、18時からの夕食の時間。

高校生は私から遠く離れた現役達の真ん中に席をとり、野球の話などで大変盛り上がっていました。

むしろいつもの合宿の夕食よりも賑やかで楽しそうな雰囲気で、安心しました。

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まだまだ稽古は続きますが、京大宝生会も高校生も元気に頑張ってほしいです。

合宿の模様は、また続報を書きたいと思います。

流儀を超えて

昨日の「琥珀の会」に向けた稽古では、主に京大の能楽部OBOGが集まりました。

琥珀の会のように舞囃子がメインの会では、宝生会も観世会も金剛会も狂言会も一緒の舞台に立つことが出来ます。

例えば舞囃子「龍田」は、シテと地謡…宝生会。大鼓…観世(ブレーメン公演メンバー)、小鼓…観世会。太鼓…金剛会。笛…狂言会。

と言った具合です。

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初めて会う人もいたので全員自己紹介をしてもらうと、一番多いのは宝生会OBOGでしたが観世会の人も4人いて、金剛会、狂言会が一人ずつ。

それぞれの囃子方としての初舞台の話など聞いて盛り上がりました。

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また今回の稽古では、お囃子の流儀も大鼓が葛野流と石井流、小鼓は幸流と大倉流がいたので、流儀の違いを比較することなども出来ました。

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一昨年ブレーメンに行ったメンバー「ブレーメン能楽隊」が核になって始まった稽古会が、こうして徐々に人数を増やし、また流儀を超えた広がりを見せて、色んな囃子が出来る人が増えて来たのは大変喜ばしいことだと思います。

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今後ますます賑やかに、そして根底には京大宝生会の持つ「適度な緩さ」を維持しつつ、楽しく厳しく稽古会を続けていけたらと願っております。

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今回世話人として尽力してくれているメンバーに心より感謝したいと思います。

「琥珀の会」本番までどうかよろしくお願いします。

案山子に見守られて

今年の12月8日に、京大能楽部OBOGを中心にした大規模な稽古会を行います。

今日はその会に出るメンバーが集まっての稽古を、長野で敢行しました。

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長野駅前に集合して、送迎バスに乗り込みます。

私は「15分くらいで到着するのかな。」と思っていたのですが、宿に到着するまでに小一時間かかりました。

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先日の岡山よりも更に懐かしい感じの田園風景がどこまでも広がっています。


やけに案山子の多い土地で、上のようなスタンダードなタイプ。

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コウモリ型。

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猫型。

などなど、案山子の展示会のようでした。

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宿に併設の体育館を稽古場として使うことになっていました。

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こういった稽古に慣れている人ばかりが15人ほど集まっているので、準備はあっという間に進みます。

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椅子、バケツ、卓球台、平均台(?)などを使って、忽ちに舞台が設えられて、厳しい稽古を日暮れまで続けました。

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この12月の稽古会は、まだまだこれから番組も増えていきそうです。

会の名前も先ほど発表されて、「琥珀の会」と名付けられたようです。

琥珀のように、最初は柔らかな樹脂がやがて固まって熟成されて、美しい宝石のようになることを願っての命名です。

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第1回琥珀の会、また続報をお届けいたします。

本当に琥珀のように良い会に育っていくと良いと思います。