吉田神社の節分祭り

今日は節分です。

去年の節分の記憶が全く無いのは何故かと思い、過去ブログを見てみると去年は七宝会の能「兼平」が2月4日にあったのでした。

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「節分」というと、例年の私は何となく浮き浮きとした気分になります。

何故かと言うと、京都吉田神社の「節分祭り」を思い出すからです。

京都では年間を通じて沢山のお祭りがありますが、実は私は吉田神社の節分祭りが一番好きなのです。

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京大の正門前を東西に通る道が「東一条通」で、その東一条の最東端に「吉田山」がゆったりと聳えており、さらにその吉田山の山腹に「吉田神社」があります。

普段は京大生が大勢行き交うこの東一条が、2月2日〜4日の「節分祭り」の時には全く違う顔を見せてくれるのです。

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東一条が東山通りと交差する角から、吉田山の山頂にある「吉田大元宮」にかけて、何百という夜店が極彩色の灯りをともしてズラリと立ち並びます。

その絢爛たる有様は、全国様々な夜店を見てきた私からしても、全国随一の規模だと思われます。

ちょっと現実離れした、不思議で妖しい魅力を持った空間が現出するのです。

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大学生活を謳歌していた頃の私の「節分祭り黄金コース」は以下の通りです。

①2月3日のまだ人が少なめの夕方に、先ず一度夜店をざっと冷やかしながら参道を登る。途中で「景品付福豆」、「恵方巻き(まだ全国区ではありませんでした)」、「節分祭り限定の日本酒・富士千歳」などを購入。空腹であれば「河道屋の年越し蕎麦(ここは節分の時に年越し蕎麦を出すのです)」を食べて、一度下山する。

②宝生会の稽古日ならば能楽部BOXへ、そうでなければ吉田寮の一室に行き、恵方巻きを黙って食べたり、日本酒を飲んだり、お好み焼きや焼きそばを食べたりして夜が更けるのを待つ。

③21時頃に再び吉田神社へ。吉田山中腹の本殿の辺りは、通勤ラッシュ並みの身動き出来ない混雑です。これは殆どが23時に始まる「巨大お焚き上げ」を見る為の人々なのです。23時になると、直径10m×高さ10mはあろうかという(記憶は多少誇張されているかも…)お焚き上げが始まり、巨大な炎が天を焦がすのを「おーっ」と歓声を上げて見守ります。

あまりの熱さに最前列の人々は間も無く後ろに退散してくるので、上手くすり抜けて最前列に行くことが出来ます。

④いい加減こちらも熱くなってくるので、後ろに退散して参道を更に登って「大元宮」に参拝します。大元宮の扉は普段は閉ざされており、年に一度節分祭りの期間だけ開かれます。

ここに参拝すると、何と全国すべての神社に参拝するのと同じ御利益があるということなのです。ここは気持ちを引き締めてお参りさせていただきます。

⑤そして再びBOXまたは吉田寮に戻り、福豆で豆撒きをして、冷えた身体を富士千歳で暖め直す。

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…これが黄金のフルコースでした。

能楽の道に進んでからは、何年かに一度素早く行ってすぐに帰る、ということが続いております。

去年は兼平の直前で行けず、今年も2月2日〜4日に東京で舞台があり、行けそうにありません。。

あと1時間ほどで「巨大お焚き上げ」が始まるはずです。

来年こそはまた京大宝生会の面々と、あの節分祭りの幻惑的不思議空間に行けることを願いつつ、今日はこれから明日の舞台の準備などして静かに休もうと思います。

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